修行

━━━

此処は修行の場。
人が僧となる場所。

 

東海随一の曹洞宗の修行寺でもある可睡斎では、多くの雲水(修行僧)が日夜厳しい修行に励んでいます。

 

 

雲水とは、

師を訪ね、道を求めて各地を巡り、あたかも行雲流水(雲は定めなく行き、水が流れてやまない)のように一ヶ所にとどまらずに修行する姿を例えてのことです。可睡斎の境内を歩いていると、雲水達が掃除を行い、受付や案内をしている姿を見かけるかもしれません。坐禅や食事、諷経(ふぎん)、作務(さむ)などの日々の修行は、仏行(ぶつぎょう)として行われます。その仏行を行い維持するという意味で、毎日の日課のことを「行持(ぎょうじ)」と言います。雲水達はどのように毎日を過ごしているのでしょうか。その行持の一部を紹介します。

 

 

振鈴(しんれい)

夜明け前、係の雲水が、大きな鈴を振って全山内をかけめぐります。この鈴の音を合図に、引磬(いんきん)を鳴らす音が響き、本堂から鐘が呼応します。全ての動作の合図は、この「鳴らし物」によって伝えられます。振鈴が鳴った瞬間に禅堂に灯がともり、いっせいに雲水たちが動き出し、修行の一日がはじまります。

 

 

 

読経

本堂で約一時間の読経を行います。やや低い声が見事に調和し、その迫力は本堂内を圧倒します。

 

 

 

坐禅

雲水達は、朝食前、昼食前、夕食前、消灯前も坐禅を行います。ゆっくりと深く呼吸し、吐く息は吐ききり、身体と心と呼吸を整えていきます。接心という一週間昼夜を徹して禅を行う修行もあります。

 

 

 

行鉢(ぎょうはつ)

行鉢とは、食事のことです。「五観の偈(ごかんのげ)」などの偈文を唱え、作法に従って静かに頂きます。雲水達が使う食器は「応量器」と呼ばれ、入れ子状に重ねられた5枚1組の器と箸、ふきんがセットになっていて、各自で管理しています。

 

 

 

掃除

階段に散った落ち葉を丁寧に集め、境内を掃き清めます。掃除にも規律があり、寸分のくるいなく行います。掃除用具は決められた場所に整理整頓し、バケツの水は風呂の残り湯を再利用し、汚れた水は木の根元にかけます。廊下を掃除する際は、雑巾をかたく絞り、腰の角度を60度に上げ、下腹部に力を入れ一直線に走ります。

 

 

 

作務(さむ)

外掃除、草取り、農作業、伽藍の整備などの勤労を行います。作務の心得は、余計な事を考えず、与えられた仕事だけに一心に集中することです。身体を動かしながら、身体と心と呼吸を整えていきます。

 

 

 

提唱(ていしょう)

老師が、難解な仏典を分かりやすく説き、経験に基づいた講義を行います。雲水全員の目と耳と心が老師に注がれます。

 

 

 

梵鐘(ぼんしょう)

全山の動きは全て「鳴し物」で合図されます。梵鐘は、時刻を知らせるためや、法要の合図のため鳴らされます。雲水は、梵鐘を一突きするごとに礼拝しながら丁寧に突き鳴らします。

 

 

 

魚鼓(ほう)

魚鼓は、僧堂(坐禅堂)や斉堂(食堂)に吊るされている「鳴し物」です。魚鼓は「鯱」という、体は魚で頭は龍という想像上の魚で、インドの神話に登場するマカラ魚のことです。大きな口に鋭い牙を持ち、「なまける心」をお腹から吐き出したとされる丸い珠をくわえています。鱗の中央の丸い部分を撞木(しゅもく)で叩き、雲水達に食事の合図を知らせます。また、魚鼓は、1年365日横にならず目も瞑らないことから、毎日最善を尽くし精進することを教えてくれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋葉総本殿 可睡斎 
〒437-0061 静岡県袋井市久能2915-1
電話番号 0538-42-2121(代)/FAX 0538-42-1429
-お問合せ-
秋葉総本殿 可睡斎 禅体験 精進料理 座禅 ご祈祷 修行 安居生 修行 宿泊 研修 静岡県 袋井市 ひなまつり 雛祭り 紅葉 ご利益 写経 御朱印 料理教室 秋葉の火祭り 風鈴まつり
Copyright (c) Kasuisai. All Rights Reserved.